2014/09/21 2014・ルノールーテシア
第3回 (納車前 0km)
![]() | タイトルとは裏腹に鮮やかなカラー。 前回同様、ディーラーの新車置き場にて。 |
(前回の続き)
選考レース、そろそろ終盤に差し掛かってきました。
残るはこの1台です。
ルノー ルーテシア ACTIF
ルノーには今まで縁がありませんでした。
307を買う時、メガーヌ2も候補に挙げました。70km/hオーバーでの乗り心地とスタイルは魅力でしたが、ディーラーシップが転々とした暗い過去や、外観に比べて薄味の内装がネガとなり、購入に至りませんでした。
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ルノー メガーヌ2。307と価格・サイズとも同クラス。 受注生産ながら1.6LのMTもありました。 |
ルーテシアは現行型がデビューした時、公式サイトでちょっとだけ見ました。「ふーん、今やBセグメントでも結構いい値段するんだな。なんか特徴のない車」というのが第一印象。
わが新潟市は、フィアット、VWなどのディーラーが固まっている中心地区にルノーディーラーもあります。そんなわけで、他メーカーの「ついでに」見てきました。ルーテシア4は街中で走ってるのを見たことがなく、初のご対面です。
![]() | 試乗車に用意されていたのは、派手な17"ホイールを履く最上級グレードのINTENS。 |
![]() | イメージカラーの赤メタは「ワインメタリック」ではなく「メタリックな赤」。かなり強烈です。地面が強烈な赤錆色なのは、消雪パイプのなせる業。後ろに見えるシトロエンC3は私が乗ってきた代車。 |
「うわ、webと全然印象違うじゃん」
![]() | webで見たのはこの写真。これじゃカラーも全然違うし、フォルムもよく伝わりません。日本法人にやる気がないのかと思いきや、本国サイトの写真もこれです(笑)。 |
実物のほうがグッドルッキングなのはいいんですが、なんだかなあ~。
![]() | 風景の中に置いた写真もご覧の通り、バリバリにフォトショが掛かった写真ばかりで、実車の質感がまったく伝わりません。これ、ソリッドの白ですよ… |
信頼性だのパーツの供給体制だのと言う前に、ルノーはwebサイトの印象でかなり損してます。インターネットのなかった昔なら、広告やCMで興味をひかれたらまずディーラーに駆けつけてカタログを手にし、実車を見ました。ところが今はwebサイトが入口。その小さな写真で「なあんだ」と思わせてしまったら、店に足を運ぶこともなく、売る側は「なぜその商品が売れないのか」を肌で感じる機会がなくなってしまいます。これは大きな損失だと思うのですが。
![]() | 諸元表にはJC08モード燃費すら書いてないのに、雰囲気重視のビジュアルはうんざりするほど登場します。まるでケンメリの頃の日産みたい。やはり2社は赤い糸で結ばれていたんでしょうか。 |
![]() | 動画ではなんか紹介してるみたいですが、静止画ではどのビューも中央の7インチディスプレイが消灯状態。USBメモリを挿してMP3が聴けることを知ったのは、のちに見つけた個人サイトでした。 |
webでも紙のカタログでも、必要な情報がなかなか得られない。これじゃ売れないのも当然です。ルノー自体がマイナーですし、デビュー後1年しか経ってないルーテシア4は個人サイトも少なく、口コミ的情報にも乏しいのが現状。日本法人はそのあたりをよく考えてほしいです。
…と、ここまで書きためている間に、公式サイトがリニューアルしました。
情報量はまだまだ乏しいものの、だいぶ改善されました。
![]() | 公式サイトではよく分らない内装を大画像でご紹介(笑)。 iPhoneの黒モデルのように、光沢ありまくりです。 |
![]() | スピードメーターはデジタル。カタログに点灯状態で写っているのはGTのパドルシフトの説明写真だけなので、全車標準装備であることは実車を見て知りました。 |
ともあれ、このへんの「華のある」ところがフランスっぽいですね。同じベーシックカーでもドイツ車では得難いものがあります。運転席に座った第一印象は「しゃれとんな~」でした。
では、試乗へ…。
街中ではハンドルが軽く、それでいて欧州車らしい「しっかり感」もあります。エンジンはスムースで速いです。さすがリッター100馬力(ダウンサイジングターボ)。307の感覚でアクセルを踏むと前車に近づきすぎて「おっとっと」という場面もありました。
注目のデュアルクラッチ6速ミッション(ゲトラグ製)の出来はいいです。トルコンATから乗り換えても違和感のない加速。パドルシフトは付きませんが、フロアシフトのレスポンスも満足できるものです。
総じて言うと、普通にいい感じ。
「お、いいじゃん!」と思ったのは、ディーラーへ戻った時。
歩道の段差を乗り越えた時、脚のしなやかさを感じました。307はバネ下の重いタイヤが「どすん」と突き上げるのに対し、ルーテシアは「とん」って感じです。205/45R17なんていうファットなタイヤを履いてるのに。
この感触こそ、私が求めているフランス車のイメージです。
一気に好感度アップ。馬群の先頭に躍り出ました。
さてルーテシアには、スポーツバージョンを除くと3つのグレードがあります。
グレード 税込み価格 タイヤサイズ INTENS 2,448,000円 205/45R17 ZEN 2,211,000円 195/55R16 ACTIF 2,055,000円 195/55R16 *受注生産
INTENSは予算オーバーなのと、太すぎるタイヤが望ましくありません。ダウンサイジングターボや6速DCTというスペックは全グレード共通なので、一番安いACTIFでいいかな?
悩んだのはボディカラーです。ACTIFには3色しかありません。
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ACTIFは受注生産のはずなのに、なぜ新古車があるんでしょうか(笑) |
白、ガンメタ、そしてイメージカラーの赤メタ。
無彩色をパスすると赤メタ一択になります。
しかし赤メタはルノーに限らず、日本の田舎ではどういう風景に置くと似合うのか、ちょっと想像つきません。ヨーロッパの石造りの町並みとか、渋谷道玄坂のような「緑の多い中心街」には似合うのかもしれませんが。
![]() | カタログ写真を遠く離れた、ごく日常的な風景にて。 |
となるとグレードを1つ上げてZENにし、この3色からの選択になります。
うーん、色だけで+15万かあ。
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比較用に公式サイトの画像も載せてみます。
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この画像(写真とは言わない)で選ぶのは無理というものです。 特に右2つは実車と全然違います。 |
主要装備表をじっくり眺めたら、最廉価グレードのACTIFは後席が手回しウィンドウだったり、ステアリングホイールが単なるウレタンだったりして、安いだけのことはあるグレードでした。
ZEN (革巻き・加飾) | ACTIF (ウレタン) |
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せっかくの黒ツヤ内装、ここはケチりたくない部分。 |
ルーテシアのカタログ、ほぼすべての写真が最上級グレードのINTENSで構成されていて、それ以外のグレードを買おうとする人にあまり情報をもたらしてくれません。装備比較表には「字で」明記されているんですが、見た目が実際どう違うのか、よく分らないんですね。
一昔前の国産車ではこんな差別化がされてました。
![]() | 最上級グレード バンパー :○ボディ同色 サイドモール:○太い ドアサッシュ:○黒塗装 |
![]() | 中間グレード バンパー :△無塗装 サイドモール:○太い ドアサッシュ:○黒塗装 |
![]() | 最廉価グレード バンパー :△無塗装 サイドモール:△細い ドアサッシュ:△無塗装 |
見た目に細かく差をつけ、なるべく上のグレードを買わせようとしていました。その成れの果てが「グランデじゃなければマークIIに非ず」だったわけですが。
![]() | マークIIの廉価版、LG。 今見ると黒バンパーがいい感じ? |
昨今、こんなしょうもない差別化は姿を消しました
どのグレードを買ってもだいたい同じ。輸入車ならなおさらです。
ところが、どっこい昭和は生きていた(笑)
![]() | INTENS |
![]() | ACTIF ※海外仕様 |
ホイール以外の違いがお分かりでしょうか?
よーく見ると、モールの有無やドアミラーの色なんかが違うんですね。
まさか日産に影響されたわけではあるまいと思いますが。
購入を検討されている方はご注意を。カタログは本当に情報が少ないです。
さて、話を戻してボディカラー。
茶メタと青とレモンイエロー、どれにしようか?
今乗ってる307が青なので、青はパスかな。
茶メタはかなり魅力的ですが、ZENでは内装が黒一色なのと、まめに洗車しないと汚れが目立ってしまうのがネック。
![]() | HBはリアハッチ汚れますからね。 雪解けの季節が特にやばいです。 |
いっぽう、黄色はかつてフェラーリの黄色が流行った頃から欲しかった色でした。カジュアルなソリッドカラーなら、クロームの装飾が少ないグレードでも似合うだろう、という目算もあります。
![]() | スイフトスポーツのキンキンに光ったイエローを選ぶのはほとんどが男性かと思いますが、ルーテシアはもう少しソフトな印象で、女性にも好まれそうな色です。 |
![]() | 前回のタイトル画に使ったこの写真が実車に一番近いイメージ。 |
というわけで、ルーテシアを買うならZENのレモンイエローという結論に。
フィアットか、VWか、それともルノーか。
3頭揃って最終コーナーになだれ込みます。
しかしゴールまでには、まだ一波乱、いや二波乱ありました。
(つづく)
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