2008/02/24 2007・プジョー307
第3回 (4ヶ月 8,400km)
![]() | なにげに小物入れが多くて使いやすい運転席まわり。 |
永らくのご無沙汰でした。
一見矛盾したようなタイトルですがご容赦を。
わが307は走行8,000kmを超え、特にトラブルもなく元気です。今回は、予告したとおりインプレッションと、季節ネタである"冬タイヤ"にまつわるお話です。
では、インプレッションからどうぞ。
ウルトラスムーズ!
同乗した知人は口を揃えて「静かな車だね」と言います。
今までわが家にあった車たちはごくベーシックな車ばかりだったというせいもありますが、ベーシックフランス車のイメージ(がさがさうるさい、内外装が安っぽい)を払拭してあまりある静けさです。国産車並みともいいますが。
エンジンは1.6のごく普通の16バルブ。VWルポから乗り換えた当初は、低速トルクの細さが気になりました。1.2トンの車重に108psですからそう鈍足ではないのですが、ルポは低速トルクもりもりのドイツ車でしかもATだったので、出足は軽かったです。かたや307は、2000rpm以下では云うべきトルクを持ちません。回してナンボのラテン車の伝統でしょうか? 試乗したAT車では特に気にならなかったので、MTとATの違いが体感に現れているのかもしれません。
2000rpmを超えると快調に飛ばせます。高速に入ると水を得た魚のようです。どうやら、この車の本領を発揮するのは130~140km/hといった速度域のようです。
直進安定性は特に違和感なし、というか普通です。高速で鬼のように直進するVWルポのような驚きはありませんでした。
特筆すべきは回頭性の良さ。FWDのくせに、まるでボンネットにエンジンが入っていないみたいに、スイッと曲がります。わしは昔、ユーノスロードスターに乗っていましたが、それに勝るとも劣らないハンドリング。ハンドリングは特に期待していなかっただけに、目ウロコものです。
乗り心地は普通に良いです。おフランス車というと包み込むようなソフトな感じ、というイメージがありますが、特にフランスっぽくはないです。兄弟車であるシトロエンC4は、走り出した瞬間に「おっ、こいつは他と違うな」と直感できましたが、307はC4より硬めで、国産車に近いフィーリングです。買ったばかりの頃は「意外と"締まった乗り心地"だな、アタリがとれるまでの辛抱かな」と思っていましたが、7,000kmを超えた頃セールス氏に訊いたら、「いや、もうアタリはとれてますよ。これから先、乗り心地が変わることはないでしょう。」との事。ちょっと拍子抜け。
ちなみに、標準タイヤの205/55R16というサイズは、バネ下の重さを意識させないギリギリのサイズのような気がします。
予想以上の好燃費
買って満足した最大のポイントは、ずばり燃費。
まず街乗りは11~12km/L。凍結路で渋滞に巻き込まれた時も10km/Lを割ることはありませんでした。圧巻は一般道の遠出で、17~18km/L。VWルポはエコランを意識して出した最高記録で17.3km/Lでしたが、307はおとなしく走るとかるく17km/L台が出ます。瞬間燃費計を見てると、走り出して巡航モードに移ると21~23km/Lぐらいで推移し、ちょっと加速したり緩い上り坂にさしかかると20km/Lを下回るか、という具合です。
![]() | 遠出したある日の平均燃費。 |
瞬間燃費計や平均燃費計は、日本車にはあまり装備されていませんが、給油を待たずに測れる便利さもさることながら、「どういう要素が燃費に影響を与えるか」ということを常に考えさせられる一種の知的ゲームのようで、なかなか楽しいです。
ちなみに、燃費が落ちる要素としては
- 加速中
- 上り坂
- エアコン動作中
- 車間距離詰めすぎ
思ったほど燃費にダメージを与えていなかった要素としては、
- 低いギアで走る
- 巡航速度が高い、または低い
なので結論としては、燃費はエンジンの回転数で決まるのではなく、アクセルの踏み込み具合で決まる、というところでしょうか。(当然の結果ですね。ごめんなさい)
使い勝手など
細かい内容が多いので◯×形式でいきます。
◯ | シートの出来はまあまあ良い。 ルポ>307>国産車。 | |
◯ | ドライビングポジションの調節幅が広い。 シート:リクライニング/リフト ステアリング:チルト/テレスコピック 可動点が多いだけでなく、中間点の位置がまとも。 | |
◯ | アイドリングが静か。 | |
◯ | 雨滴感知自動ワイパーは便利。微妙な降り方でも調整不要だし、対向車からしぶきを受けた瞬間に動く気の効きよう(笑)。 | |
◯ | スイッチ類のタッチが節度があり良い。 | |
◯ | 小物入れが多い。 | |
△ | ヒーターの効き始めが、期待したほど早くない。サービス氏によれば、シトロエンBXと同様、温まるまで冷却水はエンジン内だけで循環する仕掛けは付いているとの事だが。 | |
△ | キセノンヘッドランプは明るくて良いが、熱を発しないため、雪が融けずに附着し、だんだん視界が利かなくなる。 | |
× | ドアロックと連動してミラーをたたむ機能がキャンセルできない。取説によればディーラーで設定を変更できるとの事だが、問い合せたところ、リモコンミラーも死んでしまうとの事。凍結時にはキャンセルしたいのだが。 | |
× | 自然換気能力が低い。常にファンを回さないと窓が曇りやすい。 | |
× | ヒーターの効き(特に足元)が良くない。ブローを強めにすれば(8段階の5~6まで)良いのだが、バッテリの消耗が心配。 | |
× | Aピラー周りの死角が大きい。 |
![]() | "AUTO"モードだけでは思う空調が得られないのでちょこちょこ調整。これなら機械式ダイアルのマニュアルエアコンのほうが良かったかも。 |
![]() | 右折時はよく見ないと危ない。 |
冬タイヤの季節ですよ
さて、ここ新潟の風物詩、年に2度のタイヤ交換の時季がやってまいりました。
307は前車とサイズが違うので新規購入です。

<ブリザックREVO1の価格の例> | ||
サイズ | 単価 | 4本価格 |
195/65R15 | @12,420 | 49,680 |
205/55R16 | @20,500 | 82,000 |
(kakaku.comより 2008年2月現在) |
昨シーズン(2007年初め)はここ数年の中でも暖冬極まった年で冬タイヤがなくてもイケましたが、今シーズンは普通に「新潟の冬」です。年末から降り始め、積雪量0~10cmで推移しています。凍結や圧雪の日も例年に比べて多く、車とタイヤの格好のテスト期間になりました。
ちなみにこのど鉄ホイールはプジョー純正。車を買ったそばから別枠で出費するのは厳しいので、車のローン(1.9%)に組み込みました。P.C.D.が国産車と違うので、イエローハットあたりで売っている「冬タイヤ+アルミお買い得セット!」のホイールは適合しません。冬タイヤのためだけに社外品の輸入物アルミや、ましてや純正アルミの買い増しなどできません(ホイールだけで10万超)。なので一番安い選択肢がこれ。ど鉄を車と同時購入し、タイヤは別途調達。でもって車の商談の際、ちゃっかりと「冬になったらタイヤ持ってくるからど鉄にはめてね。お願い(笑)」。
タイヤ買うまでの2ヶ月近く、青獅子の倉庫にど鉄を置かせてもらいました。すいません。
で、雪の上での307はどうかというと、これがダメダメ。
× 前輪のトラクションが足りなく、発進時によく空転する。
ちょっとでも上り勾配があるとアウト。× わだちにハンドルを取られやすい。
わだちが迷走しているところでは対向車とぶつかるスリルが。
多分に主観的だとは思いますが、新潟で20年以上、主にFWD車を乗りついできたわしがそれらとの比較で言うんですから、そう外してはいないと思います。
車、タイヤとも初めての冬ですので、どちらに責があるか、判断しかねる部分はあります。しかしこのタイヤだって、国産の昨年モデル。ルポで履いていたタイヤより確実に新しい製品の、しかも新品です。となると容疑は車にありかと。
トラクションの不足については、重量配分が後ろよりなのかと思い、調べてみました。もしそうなら、前述の「回頭性の良さ」とも符合します。
うーむ。確かに後ろ寄りですが、それほどの差でもないような。
車種 前軸重 後軸重 前後重量比 プジョー307 1.6 780kg 460kg 63 : 37 VWルポ 1.4 660kg 340kg 66 : 34
他の車種も含めて比較したいところですが、前軸重・後軸重についてはカタログやwebサイトにはなぜか載っていません。ルポの数値を調べるにあたりVW日本のサポートへ電話したら「車検証記載事項につき個人情報にあたるためお教えできません」などとのたまう始末でした。
誰か他の車種(一般的なFWD乗用車)について、数値を教えていただけると幸いです。(_o_)
車種 前軸重 後軸重 前後重量比 シトロエンC2 1.6 680kg 400kg 63 : 37 シトロエンC3 1.6 845kg 590kg 59 : 41 シトロエンC4 1.6 840kg 480kg 63 : 37 シトロエンC5 2.0 1000kg 600kg 63 : 37
追記 シトロエン各車の数値を教えていただきました。ありがとうございます。
C3以外は同じ重量バランスに調整されてるんですね。
C3はちょっと疑問。雪道でのトラクションはどんなもんでしょうか。
あと「わだち」については、タイヤが意味なく太いせいもあるかもしれません。いっそのこと70か82にしたいところですが、サービス氏によれば、この純正鉄ホイールで履ける最も細いサイズはこれとのこと。
タッチアップペイントを買いました
値段失念。4千円~6千円ぐらい。まだぶつけてはいませんが。
いつも吸っているタバコ、マイルドセブンアクアのパッケージと色調が似ていたので、大写しにしてみました。
ちなみに某webサイトでは、青メタ307用として「初代フィットのが似ている」「いやイストのほうが近いだろう」云々と議論されているようです(笑)。
純正オーディオで時たま表示される画面
最新のIT機器にこういう字が表示されるとは思わなんだ。字数が足りなくて苦し紛れ、というところか?
307リコールですよ。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/recall/recall08/02/list/recall02-133_l.pdf
うちのは引っかかりませんでした。(輸入時期もうちょい後)
さる筋によると該当ユーザには2008年2月19日頃にハガキが届いたそうです。
307フェリーヌのMTがカタログ落ち
http://s01.megalodon.jp/2008-0302-1851-45/www.peugeot.co.jp/lineup/models/307/feline/

一時はマニュアル車を積極的に入れていたプジョー・ジャポンでしたが、今や残っているのは207GT(i)のみ。
確かにATは楽な場面もありますが、MTが選べるが故に307を買ったわしにとっては、寂しい限りです。来たる308ではMTの輸入が復活する事を切に願います。(あと207の廉価モデルも)
エコランその後 (2008-03-02追記)
今日、ちょっと温泉へ行ってきました。往きは国道7号線、帰りは県道で往復230kmほど。混雑もなく、信号の少ない道を55~70km/hぐらいでクルージング。エコランを意識したドライブを試みたところ、これまでの最高燃費が出ました。
![]() | 区間距離237kmの平均で19.6km/L。 |
"エコラン"とは具体的には、瞬間燃費20km/L以上をキープする時間を極力永くしようと、おとなしく走っただけです(^^;)。
上に書いたように、巡航モードでの瞬間燃費は21~23km/L。わずかでも上り勾配だったり、車間距離を調整するようなごく軽いアクセルの踏み込みでも、簡単に20km/Lを割ります(向かい風が強いと22km/Lが20km/Lになるぐらい敏感です)。なので、天下の往来を他車の流れに乗って走る限り、平均19.6km/Lという数値はほぼ限界なのではと思います。
最近のカタログには60km/h定地走行燃費が載っていませんが、プロのドライバーが専用周回路で走らせたらどれぐらいなのか、ちょっと興味あります。ちなみに10・15モード燃費はカタログ値12.2km/L。うちの乗り方だとこれを下回ることはほとんどありません(田舎なので)。
ハイブリッド車だともっといいんでしょうが、車自体の値段が高いですし、うちのようにゴーストップの少ない走行パターンだと燃費にそれほど差がないことがわかりました。イナカに住んでいてガソリン代が気になる向きには、MT車も狙い目かもしれません。
プジョーは国産車に比べ燃費で勝っているとは思えないので、車重が軽くてトルクに長けた国産MT車で同じように走った場合、どれぐらい伸びるのか興味津々です。ヴィッツRSとかシビックタイプRとかで検索してみましたが、車種が車種だけにあまりエコランの情報は載ってないようです(笑)。
![]() | 生涯燃費は今のところこれぐらい。 |
今回はここまで。次回は純正オーディオ/ナビのお話です。
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