2014/08/17
最終回 (6年10ヶ月 97,000km)
![]() | 今回はちょっと趣向を変え、メタリック感を強調した写真にしてみました。 |
前回レポートしたエアコンのガス漏れは、コンデンサからでした。
ラジエータとファンの間に挟まるように装着されている、コンデンサなる部品(見た目はラジエータっぽい)のフィンからじわーっと漏れている事が判明。部品代が5万4千円、工賃込みだと7万円超という見積が出ました。
これを直すまでは窓全開。雨が降ったら外気温が何度であろうとヒーター入れます。家人にはかなり不評。さあどうするかな(^^;)
7年目の車検、おいくらですの?
あと2ヶ月に迫った7年目の車検。エアコン修理込みで見積してもらいました。
おしながき 整備内容 技術料 数量 部品単価 部品小計(円) 24ヶ月車検整備基本料 36,800 エンジン下部スチーム洗浄 保安確認検査 車検機器測定 点検の結果必要となった追加整備 エンジンオイル 交換 TOTAL 7000 2,500 3.5 1,800 6,300 オイルドレンプラグガスケット 1 200 ブレーキオイル 交換 DOT4 1,800 0.5 2,000 1,000 エアコンフィルター 交換 1,800 1 3,800 フロントワイパーブレード 交換 900 1 4,400 エアコンコンデンサー 交換 18,000 1 53,800 エアコンガスチャージ 3 1,800 5,400 フロントディスクローター 脱着 10,800 フロントディスクローター 交換 2 20,000 40,000 フロントディスクパッド 交換 1 18,000 リアディスクローター 脱着 10,800 リアディスクローター 交換 2 15,000 30,000 リアディスクパッド 交換 1 15,000 スパークプラグ 交換 3,600 4 2,000 8,000 ドライブベルト 交換 3,600 1 4,000 右デフサイドシール 交換 18,000 1 5,000 T/Mオイル 2 1,900 3,800 左テールランプ 交換 3,600 1 30,000 配線修理 112,200 233,100 整備金額小計 345,300 消費税(8%) 27,624 諸費用金額* 63,260 ご請求額 436,184 * 重量税印紙代、自賠責、印紙代、車検手続費用、課税諸費用消費税(8%)
よんじゅうさんまんえん… ( д) ゚ ゚
車検を通したとして、あと2年の間には、夏タイヤか冬タイヤ、どちらかは寿命が来るはず…ショックアブソーバー交換(工賃込み12万円)も必要そうだし…トータルで約60万円の出費。エアコン以外は何不自由なく乗れてるのに、老化はじわじわと進行してるようです。10万キロですからね。
ちなみに「左テールランプ交換」とは単なるバルブ切れではなく、リアコンビネーションランプ内の配線劣化で、ASSY交換です。DIYで直せそうな気もしますが、作業する場所も時間もない orz
![]() | こんなダイアグノーシスがあったんですね。 切れて初めて知りました。 |
はい、車検を通す目はなくなりました orz
うちの307は「ファミリーカー」なので、整備費用が残価を超えたら買い替え決定です。趣味で乗ってるわけではないので、このへんの判断はいつもドライです。
というわけで今回が307の最終回、この7年弱を振り返ってみようと思います。
![]() | ついに一度も使わなかったフォローミーホーム… |
○と× 7年10万キロ編
![]() | 福島市 鷲倉温泉にて |
○予想外の好燃費。(街乗り12~13km/L、一般道巡航18~20km/L)
○鼻先の軽い、シャープなハンドリング。
○飽きないスタイル。しかも目立つ。
○オーソドックスで洒落た内装。
○走っても止まっても静か。
○塗装の耐久性。(7年経ってもピカピカ)
○まずまずの信頼性。通勤に使って不安ないレベル。
×低速トルクが細く、MTでは街乗りがちょっと辛い。
×欧州車にしては二級品のシート。
×雪道でのトラクションが弱い。
×ぱっとしない直進安定性。(国産同クラスよりはいい)
×バネ下の重さを感じさせる乗り心地。(標準タイヤが太すぎる)
×自然換気能力が低く、窓がすぐ曇る。
挙げてみたら、当初からの印象とあまり変わってないことに気づきました。塗装と同様、内外装の樹脂部品の劣化もまったくありません。カタカタ音、キシミ音は一切しません。ショックを交換し、きれいに掃除して乗ったら「これは新車だ」と思う人もいるかもしれません。かつてのフランス車は「4年4万キロ」からヤレ始めるというのが定説でしたが、どうやら7年10万キロ以降に先送りされた模様です。
![]() | 唯一の劣化ポイントはステアリングの革巻き部分。もっともこれは、乗り込む時にキーを持った手でステアリングを握る癖のある家人の仕業と判明(^^;) |
![]() | こんな部分を指して「造りが甘い」と指摘する御仁も世間にはいるようですが、私はまったく気にしてませんでした。というか、好きで選んだボディカラーなんだから、乗ってる時にも少しは見えて欲しいです(笑) |
また、購入する際に重視した「運転して面白いこと」「燃費がいいこと」は、ずばり狙い通りでした。
街中をぼんやり走ってるだけだと「国産とどこが違うの?」って感じですが、郊外へ連れ出すと、鼻先の軽いハンドリング、スムースな走りで「やっぱりいいなー」と思います。ミシュラン エナジーセイバーという省燃費タイヤを履いているにもかかわらず、コーナーで踏ん張る足回りは、国産ファミリーカーではなかなか得難い感覚かと思います。
"従来型"のエンジンを積むフランス車ということで燃費はあまり期待してなかったのですが、さすがMTだけあって、1200ccのパルサー(1980年式)と同レベルでした。ガソリンが高騰を続ける昨今、この車を選んで正解でした。
![]() | 燃費記録を出した直後に満タン給油したら、航続可能距離に4桁の数字が。60km/h定速燃費はたぶん23km/Lぐらいだと思います。それを推測させる場面もしばしばありました。 |
容積の大きなボディを1.6リッターという小排気量+MTで転がす感覚は独特です。低いギアでワーッと引っぱってポンポンと5速までシフトしたら、あとはその慣性でどこまでも巡航するフィールは、いかにもガスを食わなさそうで精神的にもよろしいです。
![]() | 新潟県のどこかにて |
内外装のしっかりした造りといい走りといい、CセグメントはBセグメントと明らかに違う、というのが7年所有した感想です。修理代車やら試乗やらで、Bセグメントにもいくつか乗りましたが、モノが違うのが素人目にも分ります。国産FWDファミリーカーだと2リッターぐらいまでは大きさ以外、大して変わりませんので…。
![]() | 純正の鉄ホイールを履くとこんな不思議なルックスになります。雪道用としての寿命が尽きたスタッドレスタイヤを使い切るために、ひと夏履かせてました。新潟市の北方文化博物館前にて。 |
良くなかった点は、まず低速トルクが細いこと。2000rpm以下は加速に使えません。スタートでクラッチをつなぐ時は気を遣います。回転数によっては激しいジャダーが発生するポイントもあり(新車時からの悪癖)、真夏でもなければエアコンはほとんど使いませんでした。2リッターモデルはきっと印象が違うんでしょうけど。
![]() |
新潟県阿賀町にて |
また、乗り心地は普通に良いんですが、低速では国産車より突き上げが強く、一般的なフランス車のイメージとはずいぶん違います。シートも硬め。VWのほうが脚はしなやかでストロークが深く、よっぽどイメージに近いです。「プジョーはプジョーであって、シトロエンとは違う」と言われればそれまでですが。コーナリングは遅くてもいいから、1.6リッターモデルの標準タイヤは185/70あたりにして欲しかったです。速いのが欲しければ2リッターがありますし。
![]() | 青メタのボディに字光式プレート、かなり気に入ってます。 |
強引にまとめると、プジョー307とはゴルフ嫌いのためのゴルフです。街乗りではドイツ車との違いが分りにくいので、人に薦めるのはちょっと難しい。207や308がまったく売れなかったのも、それが一因じゃないでしょうか。
前に乗ってたVWルポの最後は「実用車として完璧すぎて飽きた」でしたが、プジョーは好きなところ・嫌いなところがはっきり現れ、それなりにキャラクターのある車だったと思います。7年かけてそれを味わえたことはいい経験でした。
次は何にしよう?
307を買った頃と今とでは生活環境がずいぶん変わりました。以前は長距離主体で年2万キロ以上走ってましたが、今は近距離主体、住拠のある新潟市から連れ出すことはほとんどなくなりました。もっとも、新潟市はべらぼうに広いですが(笑)
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同縮尺で並べてみました。 東京~横浜が新潟市の市域(紫色)にすっぽり収まります。 |
そんなわけで、トルクの細いMT車などではなく、街中をもっとスムースに走れる車がいいなと思いました。使い方からすると国産車の、それも1リッタークラスで十分です。
しかし、150万円以上という大金を払ってまで欲しいものが全くないのもまた事実。これが5千円ぐらいの買い物なら「まあいっか」で妥協もしますが。面白くも何ともない150万円の国産車を買って3年払いするぐらいなら、独自性のある250万円の輸入車にして完済まで5年掛かるほうがよっぽどマシ、というのが私の価値観です。
今回はMTにこだわりません。ただしトルコンATはお断り。右足での微妙なスピードコントロールがやりにくいからです。また「オートマチック」を名乗りながら、下り坂でシフトダウンを求められるのはどうにも納得できません(笑)。MTは「人間が機械を操るのだ」と納得できますが、トルコンATは「機械の振る舞いに人間が合わせる」操作感が否めません。となるとMTかCVTか、あるいはロボタイズドMTですね。
あとはメーカーの選択です。私は特定のメーカーの信奉者ではないので、いろんなメーカーのに乗ってみたいです。人生は短く、車は多い。となると今まで乗った事のないメーカーが第一志望になります。
というわけであれこれ考えた上、炎天下、窓全開の307でディーラー巡りをし、次の車を決めました。スペックはこんなところです。
- エンジンはリッター100馬力!
- ミッションはゲトラグ製6速!
- カタログに燃費が書かれてない!
- 新潟では走ってるのを見たことがない!
![]() | タイヤサイズには悩まされました、とだけ書いておきます。 |
それ、ファミリーカーなのかよ? という疑問を残しつつ、
来月めでたく納車されたら新シリーズでご紹介します。