2006/11/06
第19回 (3年10ヶ月 94,000km)
![]() | フォードマスタング GTクーペ (アメリカ仕様) |
こんにちわ。
今回は、ルポのルの字も出てきません(謎)。
次期愛車候補のひとつであるマスタングが近所のディーラーに入荷したとの情報を得て、さっそく試乗してきました。
「キャバリエ万歳」以来、わしはアメ車が気に入ってしまいました。「どこがいいの?」と聞かれると説明しにくいのですが、ひとことで言うと「普通なところ」です。
わしのような年代だと、かつてのアメリカン・マッスルカーは子供の頃に映画やTVでかすかに見た程度で、強烈な思い出とかはないのですが、 やってくれましたフォードさん、懐古趣味爆発のスタイリング。思わず「懐かしい!」と感じてしまうたたずまいです。でもって中身は最新の車。
![]() | 初代マスタング(メーカーサイトより) |
アメリカ本国ではデビューしてもう2, 3年経ったかと思います。いつ日本に入ってくるんだろう?と待ちわびていました。ようやく今秋(2006年)デビューです。 なんでも本国で売れすぎて、輸出まで手が回らなかっとか。
試乗したのはメーカーが用意したデモカーとのことで、アメリカ仕様です。
(このカラーも残念ながら日本仕様には用意されていません。)
まずはかるくスペックをご紹介。
車体寸法 4765×1880×1385mm 重量 1630kg エンジン 水冷V8SOHC 4606cc 最大出力 304ps / 5750rpm 最大トルク 44.2kg・m / 4500rpm 乗車定員 4人
さすがにアメ車、デカイです。特に目を引くのは全幅1880mm。
国産車と比較してみます。小さい順に。
クラウンマジェスタ 1795mm スカイラインクーペ 1815mm エルグランド 1815mm シーマ 1845mm ランドクルーザー プラド 1875mm マスタング 1880mm センチュリー 1890mm ダイナ3t標準キャブ 1890mm ランドクルーザー100 1940mm コースター 2025mm
なんか比較対象が一部間違っているような気もしますが(笑)。うっかりすると「1」とか「2」とかのナンバーが付く車種に近いということですね。日本離れした全幅を誇る(?)スカイラインクーペやエルグランドより幅広だったのはびっくりです。ま、ランクルが入っていける道なら大丈夫ということで、よしとします。
ちなみに狙っているモデルはこれではなく、おとなしいV6のほうです。それでも4000ccあるんですけどね。V6で4リッターというさりげなくレアなエンジン(同じシリンダで4気筒だと約2.7リッター!)が気になります。
さてディーラーでV8GTの鍵を受け取り、さっそく試乗に出ます。
「保険がきかないからぶつけないように!」と脅すセールス氏をリアシートに乗せ、おとなしく田んぼ道を流します。久しぶりの左ハンドルはちょっと不安でしたが、体はちゃんと覚えているもんですね。
ドライビングポジションはぴたりと決まります。シートはワイドな調整幅があり、胴長短足のわしでも大丈夫。いまどきの車にしては珍しくフロントスクリーンの圧迫感がありません。これは○。取り回しは、サイズから想像するよりは多少楽です。ノーズは見えませんが、先端がどこ? というよりは、V8を収めるボンネットの盛り上がりのほうに目が行ってしまふ。(ボンネットの高さは外観からもわかるかと)
走り出して「あれ?」と思ったのは、意外におとなしい出足。「アメリカンV8・4600cc」というスペックから勝手に想像していたのは「ぐぉおおん、どろどろどろ」という昔ながらのマッスルカーだったのですが、誤解を恐れずに言えばコロナの2リッターと同程度(笑)。
「えっ?」と思いメーターを見たら、納得。V8なので、同じ回転数でも爆発音は4気筒の倍のテンポなのでした。てっきり3000rpmぐらい回したつもりがその半分だったというわけです。冷静に観察すると、どこからでも欲しいだけのトルクが湧くエンジンのようです。
![]() | これは本国仕様のスペシャルな内装。これ欲しい… |
乗り心地はまあ普通です。タイヤのハイトが低いが故の突き上げは多少食らいますが、スポーティモデルだと思えばこんなもんでしょう。S2000よりはソフトです。直進性もいいです。ステアリングを切ると、重いノーズが「ぶーん」と持っていかれる感触はありますが、かつてのアメ車のような「地に足が付いてない」ステアリングフィールはみじんもありません。ブレーキも意外というべきか、よく効きます。VWから乗り換えても違和感なし。キャバリエとは雲泥の差です(笑)。ATの出来はいいようです。というか、他をいろいろチェックしながら運転していたので、どこで変速しているか気づきませんでした。
![]() | メーターパネルがまたしぶい。スピードメーターの、大きいほうの目盛りはマイル表示なので、試乗の際はご注意を(笑)。 |
短い試乗でしたのでハンドリングとか細かいところまでは確かめられませんでしたが、総じていうと「意外と欧州車っぽい」タッチでした。セールス氏はそれを「ヨーロッパにも拠点を持っているメーカーだからだ」と言っていましたが、ハンドル、ブレーキ、ボディ剛性ともしっかりしており、ハードの出来に不満はありません。
ちなみにリアシートは外観から想像するより広いです。天井は身長170cmのわしが座るとスレスレでしたが、足元のスペースは素晴しい。座面の高さと、フロントシートの背面の形状を工夫しており、このクーペスタイルにして膝が前席に触れません。2~3時間乗車なら大人4人でも余裕です。ミニバンの3列目よりはたぶん楽です。
逆にいただけないところを挙げると、なんといっても価格です。本国では240万から買えるのに、なんで再廉価モデルが390万なんでしょう。まあデビュー直後ということで、どのモデルがどれぐらい売れるのかぜんぜん読めないでしょうから、高価格少量販売という方針を採ってリスクを避けたい気持ちはわかります。しかしいずれ売れセンが見え、ライバル(今はなし。やがてカマロとかチャレンジャーとか入ってくる?)が登場する頃には、装備を簡略化したモデルを投入するでしょう(既存モデルの値下げは、中古の値崩れを招くので普通しない)。その時まで「待ち」です。はい。
ちなみにわしの考える適正価格はこんなところです。
現状の装備ではムリだと思うので、簡略化は必須です。カッコ内は現在の価格。
V6クーペ 298万円 (390万円) V6コンバーチブル 355万円 (日本未投入) V8クーペ 380万円 (460万円) V8コンバーチブル 460万円 (530万円)
参考までに他車の価格を。
フェアレディZ クーペ 333~396万円 フェアレディZ コンバーチブル 385~443万円 ポルシェ ボクスター 572~614万円
V6モデルについては、Zより高い値付けはありえないと思います。クーペの値段で、Zだとコンバーチブルが買えますし、そもそもBMWのような「高級車」じゃないんですから。V8のGTにしてもコンバーチブルで530万円なので、あと40万円足すとボクスターの安いやつが買えてしまいます。
待てば海路の日和あり、かな?
為替相場の動向にも左右されるでしょうから、イラク情勢の平穏化を祈ることにします。(笑)
ではまた。