2014/09/15
第2回 (納車前 0km)
![]() | 早くナンバー付かないかなー。 |
(前回の続き)
今回の出走馬。
果たしてどんなレース展開になったでしょうか。
◎本命 フィアット500 Twin Air POP ○対抗 アルファロメオ MiTo Sprint ▲単穴 フォルクスワーゲン move up! 2ドア △穴 トヨタ プレミオ 1.5F Lパッケージ △穴 ルノー ルーテシア ACTIF
フィアット500 Twin Air POP
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今まで乗った車はどれも4気筒のNAで、ミッションはMTかトルコンAT。オーソドックスな車ばかりでした。対するTwin Airは2気筒でターボ、ミッションはデュアロジック。ハードウェアだけ見ても、未体験の世界に満ちています。
プジョーに7年乗っている間、乗り換えたい車はこれぐらいしか思いつきませんでした。ドイツ車とフランス車には乗ったし、日本車には欲しいものがない。残るはイタリアかなと。具体的な車種選定に入る前から「次はこれかなあ」とぼんやり決めてました。いわば無投票当選状態。
![]() | 内装が水色の車なんて、これを逃すともう買えないんじゃないかという気もひしひしと。 |
Twin Airは2気筒独特のエンジン音が楽しいです。アイドリングでも「あ、500がいる」ってすぐ分ります。この音がリアではなくフロントから聞こえるのが新鮮です。
これで思い出したのは元祖の500ではなく、昔借りて乗っていたレックスコンビ4WD。2気筒550cc、パートタイム4WD、5速ミッション、後輪セミトレの4輪独立サス。あの「クォーン」というエンジン音を太くすると500になります。
![]() | レックスコンビ4WD(写真はターボモデル)。公道でその性能をフルに発揮できる車で、最高速は5速でなく4速で出る事を実体験しました(笑) |
Twin Airは800ccながらターボのおかげでトルクは十分以上。デュアロジックの出来も想像通り。MTとして使う分にはまったく違和感ありません。トルコンやCVTと違って動力の伝達フィーリングがダイレクトなので、カブに乗ってるみたいです(笑)。こういう車を一家に一台として所有したら、かなり楽しそうです。
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この内装はちょっと魅力。 |
1.2L 4気筒NA版にも試乗しましたが、こちらは何の特徴もない車でした。Twin Airから乗り換えると下がスカスカで出足もいまいち。音も平凡。500を買うならTwin Air一択です。
○いろんな「未体験」が詰まっているところ。
○貴重な5ナンバー輸入車であること。
○トルクが太い。
○明るく楽しい内装。
×フランス車より落ちると思われる信頼性。(先入観)
×消去法で選ぶことへのわだかまり。
総論:おしゃれで楽しい、4輪のスーパーカブ。
アルファロメオ MiTo Sprint
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新車で269万円するMiTo Sprintは予算オーバーで候補に入れてなかったのですが、走行5,000km、248万円という新古車(試乗車落ち)があったので試乗してみました。以前代車で乗った147は鳥肌が立つほど足のいい車だったので、もしそれを上回る感動をもたらすなら、248万円は決して高くないと思ったわけです。
MiToにはD.N.A.システムというモード切替があり、エンジンの出力特性やミッションの変速マップなどをスイッチで3段階に切り替えることができます。一番速いDynamicモード、標準のNaturalモード、そして雪道用?のAll Weatherモードです。標準状態でどんな走りを見せてくれるのか、あえてNモード中心で試乗してみました。
結論から言うと、今年一番のがっかりグルマでした。
とにかく出足が遅い。ヴィッツの1リッターより、いや、今まで乗った白ナンバーの車で一番遅いかもしれません。アクセルを相当踏み込まないと望む加速が得られません。DCTのはずなのに、右足にエンジンが反応してくれないんです。打てど響かず。ハイブリッド車のように、ペダルとスロットルの間に電子制御が介入しまくります。
Dモードにすれば多少元気になりますが、今度は信号発進の時、燃費計が2km/L台を示す始末。いやいや、こんな車は飼えませんて…。
感動したのは80km/hでのレーンチェンジ。まるで4輪同時に舵を切ったようなスムースさ。147と同様の目ウロコものでした。足は絶品です。足は。
というわけで○×はなしです。第一コーナーで落馬。
総論:減量に失敗した世界チャンピオン。
フォルクスワーゲン move up! 2ドア
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12年前、同社のLupoに乗ってました。
全長3.5mという普通車最小クラスなのに、国産2リッターをかるく蹴散らす無敵の高速直進性と、12時間乗っても疲れないシートを持つ、空恐ろしい車でした。くわえて申し分のない耐久性、トヨタの万全なサポート体制。理屈で考えれば、小型車にこれ以上の選択肢はありません。
![]() | VW Lupo 新潟県秋山郷にて。 |
そんなわけでVWは、買い替えの際、必ず候補に挙がります。試乗するとつい「これでいいかな」って思っちゃう(笑)。ちょっと試乗しただけでもどんな車かパッと分るキャラクターは凄いと思います。
VW一族に唯一ネガがあるとすれば、素晴らしい出来とは裏腹に運転してまったく面白くないこと。試乗するたびに「おぉ~いい走りだな~」と思うんですが、長期間じっくり付き合うと、何のエンターテイメントももたらしてくれない事にふと気づきます。一心不乱に仕事してるみたいで。
でも、Lupoの発展型ともいえるup!が155万円なら、そんな雑念をシャットアウトするだけの説得力はあります。
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車内はびっくりするほどの野暮ったさ。シートの生地なんて最悪のセンス(笑)。ピアノ・ブラックのフィニッシャーが唯一のオシャレポイント♪ でもまあ、ボディが赤なら一部鉄板むき出しの室内に赤のアクセントが付くので、これはこれでいいかな?
![]() | 「2DINナビ? 何それおいしいの?」というインパネデザイン。センターコンソールの形状がなにげに70年代チックなのも渋いです。 |
ドライブフィールは予想通り、Lupoの進化型でした。とにかく走る・曲がる・止まるがしっかりしていて、走り出して1分で「ああ、これじゃ国産車を買うという選択はないな」と思いました。こんなのが155万円で売られる世の中じゃ、国産1リッターや、ましてや軽なんてお呼びじゃありません。実はダークホースとしてスズキ・スプラッシュもひそかにノミネートしてたんですが、この時点で完全消滅しました。
![]() | スズキ・スプラッシュ。おもろい形がポイント。ハンガリー製ゆえ並の販売店には展示車すらないのがネック。 |
up!の1リッター3気筒エンジンは4気筒から乗り換えてもまったく違和感なく、NAなのにトルクもりもり。「あれ、ターボだっけ?」って何度も思いました。排気量の小ささを唯一感じたのはICの上り口でフル加速を試した時だけです。
シングルクラッチのASGは好き嫌いあるようですが、私はこれで十分。予想を遥かに超える出来でした。これならMTいりません。
それにしても、Lupoから12年経つとB>燃費が半分っておそるべき進化ですね。
ダメ押しは驚愕の0.1%ローン。1%じゃありません。0.1%です。見積書に記載された約3千円の「××手数料」という項目を見て印紙代か何かかと思いました。まさか3年分の金利だとは。
おそるべしVW。本命を脅かす勢いです。
○実力。
○値段。
○何があって何がない車か、直感的に分ること。
○サービス体制も含めたトータルの信頼性。
×3年乗ったら飽きるかも。
総論:身近な所にいる、超一流の国家公務員。
付き合って面白い人かは、また別。
![]() | Poloにも試乗しました。こちらはデュアルクラッチ(DSG)。 シングルクラッチのup!とどれだけ違うのか興味津々でしたが、up!でも十分な私には大差なし。2名乗車での動力性能だってup!で十分。そう考えると、ドア2枚とDSGで70万円は高いなあ…という結論に。 |
トヨタ プレミオ 1.5F Lパッケージ
![]() | 1.5F Lパッケージは自家用最廉価グレード。 狙っているのもこの色。 |
唯一の日本代表。
私はトヨタ車を買ったことがありません。代車や営業車では何度も乗ってますが、所有した経験はありません。世界に冠たる大トヨタ、一度ぐらいは10万キロまで心底つきあって、どんなメーカーなのかを肌で感じたいと思っています。日産やホンダとも一線を画す超一流の「日本車」メーカーの製品と一度じっくり付き合ってみないことには、他のメーカーについてああだこうだ言っても始まらないのではないかと。中でもプレミオはコロナの頃から、国産車の中でも長期的な耐久性に優れた車だというイメージがあります。
現在のプレミオは全長4.6m。これ以上肥大しないのは小型タクシー枠あればこそという、実質的に5ナンバーいっぱいのサイズ。こんな大きなボディを1.5リッターのエンジンで転がすのはどんなフィーリングだろう? トヨタのことだから、絶対性能はそれなりでも、実用性にぬかりはないのでは? という点にも興味があります。
そして、トヨタの売れ筋がプリウス、アクアなどにシフトした昨今、プレミオのような「従来型の日本車」に乗れるチャンスはもうすぐお終い、という思いもあります。5ナンバーのセダンで、グレードを細かく揃え、アクセサリーと販売力でマーケットを占めるという昭和へのノスタルジーです。こういう車、一度も買ったことがないので。
試乗の結果は以下の通り。
○トランクが大きい。
×やっぱり遅い。
×あやふやなドライブフィール。
×瞬間燃費計で見る限り、燃費は期待したほど良くなさそう。
総論:親戚のおじさん。
法事で会うぐらいで十分。
(つづく)
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