1998/03/01
全1回 (所有期間 : 1994/03〜1998/07)
![]() | 1998年7月6日、友人に引き取られてゆく直前。 "ブルーオランプ"のボディ色をよく表わしている一枚。 |
時は90年代初頭。前ページのサニーカリフォルニアを私は年間2万キロ以上、足がわりに酷使していました。 サニーはハンドルが重いこと(手違いでパワステ注文し忘れ)以外短所はなく、また超メジャーでありながら、買ったやつはボディと色の組み合わせが超レアという 申し分ないクルマで(笑)、買い換えは特に考えていませんでした。
しかし、いずれくるであろう買い換えの際、何にしようかと考えると、
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ローバー114SLi | パルサー5ドア1800GTI | |
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シトロエンBX | ホンダコンチェルト |
あたりが挙がってきました。いずれも5ドアの通好み(笑)な車ですね。
今回はじめて輸入車がリストに入っていますが、国産車はどうも、本当の意味での実用性以外の部分にコストをかけているのでは?という点がどうにも気になったのです。
候補のクルマはいずれも、このままサニーが朽ちるまで乗り続けると、いずれも消滅しそうなクルマばかりでした。
そんな折、近所のユーノスでシトロエンBXの新古車を見つけました。走行300kmで198万円というプライスです。これなら同クラス(1900cc)の国産と大差ない金額です。
トラブルの巣窟という噂のシトロエン、インターネットのnetnewsで故障情報を収集(笑)して購入に踏み切りました。
4年半の間に10万キロを走破。
致命的な故障はなかったものの、
- ワイアレスドアロックの送信機がすぐダメになった。(BXのお約束)
- マフラーのタイコに湿気がたまって中身がグズグズに腐った。
チョイ乗り主体の運転パターンだと出やすい故障らしい。 - 一度軽いオーバーヒートを起こして以来、排ガスにオイルが混じるようになり、 (空吹かしすると路面が湿るほど)、末期にはオイル消費量が4L/1000kmに。
- ラジエータの水温センサにつながっているカプラが腐って、冷却ファンが止まらなくなる。
- ストラットから「ぐげぐげ」という慴動音が出てだんだんひどくなり、ついには LHMが盛大に溢れだし、左右のストラット交換。(7万とられた)
- スピードメーターの針が一定速度を示さずぶんぶん振れる。(BXのお約束らしい)
- クラクションの接触が悪くなり、片方のラッパしか鳴らなくなった。
- いったんエンジンを切ったが最後、二度とかからなくなる現象が3回ほどあった。
原因はけっきょくわからなかった。
とまあ、7~8万キロあたりから細かいトラブルが出始め、 維持費の負担が重く感じられるようになり手放しました。
(前述の友人達によれば、このぐらいの故障なら車としては「当たり」とのこと。)
出費はちょっと多かったですが、それとひきかえにいろいろな楽しみを与えてくれました。最高のファミリーカーです。
どっかに「故障知らずのBX」があったら、今でも買うと思います。当時、担当のセールス氏は積極的で、エグザンティアが出たばかりの頃、 しきりに薦めてきました。しかし私には立派すぎたことと、BXに比べると乗り味が国産車と大同小異であったことから、欲しくはなりませんでした。ワゴンなどはカッコいいですけどね。
ちなみに良かった点:
- コンパクトで取り回しがよく、プロポーションのよいスタイル。
- 高級感がまったくないこと。(実用に徹している)
- 低速トルクに優れるエンジン。でろでろでろという音も好み。
- ぜったいに腰に疲労を感じさせないシート。
(したみちで1日800kmは楽勝) - どんなスピードからでも姿勢を崩さずに全輪に絶妙な制動をかける強力なブレーキ。
- 乗ってる人が少ない割には、みんなが知ってるへんな車。
![]() | イエローバルブがお似合い。それにしても昔のデジカメ(リコーDC-2E)って画質悪いですね。 |
(2005/06追記)
このBXは、乗用車には何が必要かをいろいろと考えさせてくれました。決して広くはないがくつろげる室内レイアウト、荷重に影響されない運転感覚、限られたコストの中でお金をかけるべきところとそうでないところの切り分け。 VWのキャッチコピーで「乗るたびに発見がある」というのがありましたが、このフレーズはBXのためにあると思っています。
また、デザインが素晴らしかった。しゃかりきになってグッドデザインを追い求めるのではなく、「モノを造るんならそれなりのデザインを与えるのは当然」というのが設計者の信条だったのではないでしょうか。降りて眺めるたびに「いいなあ」とため息をついたものです。どこへ乗っていっても、一目置かれる車であったことも、所有する満足のひとつでした。
「壊れないBX」は今でも、理想の車です。
(2008/12/28追記)
タイヤについて
新車装着タイヤは西ドイツ製ミシュランMXV2(175/65R14)でした。こいつは直進性・排水性が抜群の硬派なタイヤでしたが、踏面が硬く、またロードノイズがうるさかったです。それらをカバーしようとBSレグノに履き替えたところ、多少効果はあったものの、遊びが少なくシャープなステリングフィールが大いに損なわれました。せっかくの独創的なクルマが国産車のフィーリングにだいぶ近づいてしまいがっかり。このことがあってから、タイヤを選ぶ時は欠点を隠すのではなく長所を活かす製品をチョイスするよう、心がけるようになりました。
ちなみにベストバランスは1サイズ細い165/70R14あたりだと思いますが、特殊なサイズ故ミシュランしかないのがネック。
このBXは、乗用車には何が必要かをいろいろと考えさせてくれました。決して広くはないがくつろげる室内レイアウト、荷重に影響されない運転感覚、限られたコストの中でお金をかけるべきところとそうでないところの切り分け。 VWのキャッチコピーで「乗るたびに発見がある」というのがありましたが、このフレーズはBXのためにあると思っています。
また、デザインが素晴らしかった。しゃかりきになってグッドデザインを追い求めるのではなく、「モノを造るんならそれなりのデザインを与えるのは当然」というのが設計者の信条だったのではないでしょうか。降りて眺めるたびに「いいなあ」とため息をついたものです。どこへ乗っていっても、一目置かれる車であったことも、所有する満足のひとつでした。
「壊れないBX」は今でも、理想の車です。
(2008/12/28追記)
タイヤについて
新車装着タイヤは西ドイツ製ミシュランMXV2(175/65R14)でした。こいつは直進性・排水性が抜群の硬派なタイヤでしたが、踏面が硬く、またロードノイズがうるさかったです。それらをカバーしようとBSレグノに履き替えたところ、多少効果はあったものの、遊びが少なくシャープなステリングフィールが大いに損なわれました。せっかくの独創的なクルマが国産車のフィーリングにだいぶ近づいてしまいがっかり。このことがあってから、タイヤを選ぶ時は欠点を隠すのではなく長所を活かす製品をチョイスするよう、心がけるようになりました。
ちなみにベストバランスは1サイズ細い165/70R14あたりだと思いますが、特殊なサイズ故ミシュランしかないのがネック。
1993・シトロエンBX |